住宅ローン返済が破綻。住宅を手離さなければならない自己破産ではなく「個人再生手続き」で返済
2009.07.28
谷真介
相談者は、若いころにやや無理をしてローンを組んで住宅を購入し、その後生活費が足りないときに少しずつ金融機関から借入を開始し、相談に来られたときには約10社から合計約1,000万円程借りておられた方でした。
住宅ローンもまだ2,000万円以上残っていました。住宅ローンと支払いを合わせると月約20万円の支払となり、生活は完全に破綻していました。
自己破産も検討しましたが、相談者としては子供たちのためにも何とか住宅を手放したくないということでした。自己破産では住宅は手放さなければなりません。
幸い、この方は将来的にも一定の安定的な収入が見込めたことと、妻がパートを始めるということでしたので、個人再生手続を検討することにしました。
個人再生手続というのは、簡単に言えば借入金の約5分の1(最低100万円)を3~5年で返済し、全て返済すれば残りの借金は返さなくても良い、という手続です。
個人再生手続の最大のメリットは住宅ローン特別条項という、住宅ローンのみ別に支払続けて住宅を確保できるというところにあります(一定の要件を満たす必要があります)。この方の場合は住宅ローン特別条項を使用できたので、毎月住宅ローン分と借金の5分の1(約200万円)を3~4年かけて支払うという再生計画案を裁判所に提出し、それが認可されました。
住宅を手放さずに返済金額を減らした上で借金を整理し、生活の再建を図ることができた一例です。