消費者問題 その3 サービスを長期間受ける契約
2018.05.23
名波大樹
1 品質の予測がつきにくいサービスの長期間の契約について
英会話教室など、長期間にわたってサービスを受けることが前提となっている契約は、
自分で英会話教室まで行って契約する場合が多く、
訪問販売のように不意打ちで契約をさせられるわけではありません。
しかし、例えば契約後に1度授業を受けてみて、自分が期待した授業内容と違ったとしても、
半年分契約をしてしまっていれば、中途解約ができないことになってしまいます。
これが英会話教室のような「サービス」ではなく、「商品」であれば、
契約前にどういう品質の商品かある程度予測できますが、
授業のような「サービス」は、一度受けてみないと品質の予測が付きにくいという問題があります。
このように、品質の予測がしにくいサービス(法律では「役務」といいます)の
長期間にわたる契約について(特定継続的役務提供契約)、消費者に考える時間を
与える必要があるため、一定の規制がなされています。
2 クーリング・オフ
契約してから8日間、クーリング・オフができることは、訪問販売等と同じです。
3 中途解約
クーリング・オフの8日間が過ぎてしまっても、中途解約はいつでもできるという制度になっています。
ただし、中途解約で返金してもらえるのは、まだサービスを受けていない分の料金だけです。
クーリング・オフであれば、すでにサービスを受けていても、全額の返金がされるので、
そこが違う点です。
4 「特定の」サービスだけ
あらゆるサービス(役務)にこの制度が使えるわけではありません。
法律で、①エステ、②語学教室、③家庭教師、④学習塾、⑤パソコン教室、⑥結婚紹介所、
以上の6つのサービスが定められており、これにだけ使える制度となっています。