ブラック企業を許さない!
違法・過酷な労働で若者を使い捨てにする「ブラック企業」の存在が問題になっています。2013年7月の参議院選挙には、ブラック企業と称されている企業の経営者が立候補し、選挙の争点の一つにもなりました。厚労省も2013年9月を「強化月間」としてブラック企業への取り締まりを強めています。
「ブラック企業」という言葉は、長時間の過酷な労働を強いられているIT産業の労働者たちによって作られた言葉です。それ以前から、労働法を守らない会社はありましたし、長時間労働や残業代不払い、パワハラやセクハラ等も存在していました。しかし、最近では、そのような違法な労働環境を確信犯的に作り出し、企業が成長するために労働者を使い潰すことを当初から想定したうえで、若者を大量採用して過酷な労働条件を押し付け、労働者がうつ病になったり自殺をしてしまっても気にもとめないような企業が目立つようになりました。
このようなブラック企業が生まれてきた背景には、日本では企業に対する滅私奉公をよしとする社会的雰囲気があったこと、正社員から非正規雇用への置き換えがすすみ正社員の求人が減少して買い手市場になり人を大切に育てる必要がなくなったこと、労働組合の力が全体的に弱くなってきたこと、経済のグローバル化が進み企業間競争が激化していること、失業時の社会保障制度が脆弱であるため辞めるに辞められないこと、労働者への労働法教育が不十分であること等が考えられます。
近年特に広まった過剰な自己責任論から、せっかく頑張って入社できたのだからどんな労働条件でも頑張ろう、いつまでもノルマをこなせないのは私が悪いんだ、などと自分を責めてしまう人や、ブラック企業の中には社員教育と称して洗脳まがいの研修を行い、その結果、正常な判断力を失わされてしまっている人も数多くいます。
ブラック企業を野放しにしておくと、労働法を遵守するまともな企業が競争で勝ち残れません。正直者がバカを見るようになってしまえば、日本全体がブラック化してしまいます。
ブラック企業を許さないためには、現行法をきちんと遵守させることが重要です。
おかしいと思ったら弁護士にご相談ください。