働く人のためのコロナ関連Q&A 「休業時の給料」
Q.私が勤めている会社では、新型コロナウイルスの影響により2週間自主的に営業を休業したため、仕事に行くことができませんでした。この場合、給料はもらえないのですか。
A.会社の自主的判断により営業を休業した場合には、給料の全額(100%)を請求できると考えられます。
原則として、労働者による労務の提供がない場合には、使用者は給料を支払う必要がありません(ノーワーク・ノーペイの原則)。
しかし、民法536条2項には、「債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は反対給付を受ける権利を失わない」と規定されています。
労働者(債務者)が労務の提供をしようとしているのに、使用者(債権者)側の「責めに帰すべき事由」によって労務を提供できない(債務を履行することができない)場合には、労働者は反対給付、すなわち給料を受け取る権利を失いません。
したがって、会社の自主的な判断に基づく休業により、相談者さんが働くことができない場合には、全額(100%)の給料を請求することができると考えられます。
なお、「使用者の責に帰すべき事由」(労基法26条)がある場合、休業手当として平均賃金の6割を受け取ることができます。「使用者の責に帰すべき事由」(労基法26条)は民法536条2項よりも広く解されていることから、全額が厳しい場合でも少なくとも6割は受け取ることができる可能性があります。
もっとも、新型コロナウイルスによって休業を強いられた場合に「責めに帰すべき事由」にあたるか否か、すなわち給料が全額受け取れるか否かは、個別の事情にもよりますので、詳しく事情を聞く必要があります。
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(この記事を書いた弁護士:西川翔大)