労働者派遣法が大きく変わりました。
2015.10.26
中西基
「改正」労働者派遣法が、2015年9月30日に施行されました。
これまでの労働者派遣制度の仕組みを大きく変える大改正ですが、改正法案が国会で成立したのが9月11日で、施行まで3週間足らずの時間しかありませんでした。
そのため、派遣労働者はもとより、派遣先企業も派遣会社も、改正法で何がどう変わったのかよく分からないまま施行日を迎えることになりました。
9月30日に東京と大阪で、「派遣労働者のためのホットライン」を実施したところ、「これからどうなるのか不安だ」という派遣労働者からの電話が多数かかってきました。派遣会社の社長や派遣受入先企業の経営者からも、「改正でどうなるのか分からない。労働局に聞いても答えてくれない・・」といった電話がかかってくる始末でした。
政府が9月30日施行にこだわったのは、10月1日から「違法派遣のみなし雇用制度」がスタートすることになっていたからです。
旧・派遣法では、専門26業務については派遣受入可能期間は最大でも3年まででした。ところが、現実には、この期間制限に違反して違法に派遣を受け入れている企業がたくさんありました。このままの状態で10月1日に「違法派遣のみなし雇用制度」がスタートすると、多くの企業で派遣労働者が直接雇用されるはずでした。
ところが、9月30日に改正された派遣法では、派遣受入期間制限が事実上撤廃され、どんな業務でも事実上無期限で派遣労働者を使い続けることができるようになってしまいました。
もっとも、偽装請負のケースなどは、改正後も、引き続き、「みなし雇用制度」を活用して、直接雇用を実現できる可能性があります。
「これって違法じゃないのか?」と思ったら、ぜひ当事務所までご相談ください。