史上初めての生活保護基準大幅引き下げ!
2013.08.26
中西基
2013年8月から生活保護基準が引き下げられました。
現行の生活保護法が制定された1950年以来,生活保護基準が引き下げられたのは,2003年度(0.9%減)と2004年度(0.2%)の2回だけです。今回の基準引き下げは前例のない史上初めての大幅引き下げです。
今回の引き下げは、
● 最大10%(平均6.5%)も3年で引き下げられる。
● ほぼすべての世帯(96%)が引き下げの対象になる。
● 子育て世代ほど、たくさん引き下げられる。
● 「物価が下がったから引き下げ」は、利用者の生活実態にあってない。
● そもそも、物価下落を理由にしていいのか。
● 生活保護を利用している人の意見を聞かずに一方的に決められた。
など、重大な問題があります。
このような生活保護基準の引き下げに対しては、現在、「1万人審査請求運動」が呼びかけられています。「審査請求」は行政処分を知った日の翌日から60日以内に申し立てなければなりません。今回の生活保護引き下げについては、7月中旬頃に「保護変更決定通知書」が送られてきていますので、9月中旬頃までに審査請求を申し立てなければなりません。
8月28日(水)18時から大阪弁護士会館にて、審査請求のための説明会&相談会を開催しますので、当事者のみならず支援者の皆さまもぜひご参加下さい(案内はこちら)。
生活保護基準は、就学援助制度の利用基準や地方税非課税の基準、介護保険の保険料や利用料の減免基準などさまざまな制度に連動しています。生活保護基準の引き下げは、生活保護を利用している人だけでなく、市民生活全体に大きな影響があり、決して人ごとではありません。