守口市・学童保育指導員大量雇止め事件で集団提訴
守口市の学童保育事業で勤務していた学童指導員ら10名が，市から運営を委託された株式会社共立メンテナンス（ドーミーインホテルなどを経営する一部上場会社，本社は東京都千代田区）から2020年3月末で雇用契約の更新を拒絶（雇止め）された事件について，2020年5月15日，大阪地裁に，雇止めは無効であり労働者としての地位の確認等を求める集団訴訟を提訴しました。
元々守口市では学童保育を直営していましたが，経費削減のため民間委託を決定し，応募した4社の中から，従前の学童保育の事業内容を維持することや指導員の雇用を引き継ぐことを約束した共立メンテナンスに委託先を決定し，2019年4月以降，原告たちは（元々は守口市の非常勤職員でしたが）共立メンテナンスの従業員となり，引き続き指導員として働いてきました。
民間委託では委託費が決められており，しかもその枠内で受託企業は利潤も出さないといけないため，児童らや保護者への行政サービスの内容がどうしても削られがちです。原告ら指導員らや，指導員らが所属する労働組合では，児童らや保護者の立場にたって共立メンテナンスに対して保育内容について意見を言うことも度々ありました。すると2020年になって突然，原告らのこうした行為や，またその他の取るに足らない，事実と異なる行為をあげつらい，それらが懲戒処分に該当するとの注意書を個々に手渡され，次いで2020年4月以降の雇用契約を更新しないとする通告書を渡されました。
2020年2月末に小学校がコロナウイルス感染拡大を受けて休校になり，学童保育は行く場のなくなった児童たちを感染拡大を防ぎながら保護者から連日朝から預かる重要な役割を担っていました。まさかそのような中で経験の長い指導員たちの多数が「クビ」になるという驚くべき事態であり，指導員たちは自分たちが「クビ」にされ児童たちと離れなければならない現実に頭が真っ白になりました。
学童の現場も大混乱に陥っています。学童保育を民間に委託して，後は責任を持たないという守口市の姿勢も問われます。
不当な雇止めにあった指導員たちを，子どもたちと保護者の元に戻すための裁判です。ぜひ注目，応援してください。
