相続法の改正についての解説①
2019.04.12
徳井義幸
Q 最近相続法が改正されたという話を聞いたんですけど本当ですか?
A ええそのとおりですよ。
嫡出子と非嫡出子のとの間で相続分に差別(2対1)があったことについてそれは憲法違反だとの判決が平成25年にありました。それを受けて国会で改正の議論が始まったのですが、その問題だけではなく、その他の相続関係の条文についても改正が行われることになったんです。昭和55年以来約40年ぶりの大幅な改正となっていますから、これから何回かの連載で改正の内容を解説していきたいと思いますのでよろしく。
Q それでは、まず非嫡出子の差別の是正以外に、相続法改正が必要になった理由から説明してくれますか。
A はい、それは高齢化社会への対応ということなんですよ。
もちろんそれだけではないのですが、最大の理由はこれなんです。男子の平均寿命は約80歳、女子は87歳になっているでしょう。ということは妻は夫を亡くして約7年間も一人で生きていく必要があるということです。そこでこのような妻を相続法上も強く保護しようということです。具体的な妻の保護のための改正点は改めて説明しますが、今回の相続法改正にはそれ以外にも自筆遺言の作成の簡易化等も含まれています。実はこの点はすでに今年の1月から施行されているんですよ。そこで次回はこの点から説明をしましょう。
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