相続法の改正についての解説⑦
2019.06.05
徳井義幸
Q 配偶者居住権によって配偶者が守られる具体的な遺産分割の例を教えてください。
A 前回の例で妻が遺産分割で、配偶者居住権を取得するとそれは所有権ではないので、例えば500万円との低い評価になります。するとまだ自宅には無償で居住し続けながら、さらに預金から500万円をもらえます。これで、居住も保護されてしかも預金もそれなりの額を取得出来ます。
Q なるほど。ところで、配偶者居住権は所有権の半分の値打と判断されるのでしょうか。
A 例えばの例であげたものですが、いくらに評価するのか争いになる事はあり得ますね。無償居住の期間等の具体的事情によって評価は変更するでしょうね。しかし、所有権の評価より低いことは間違いないでしょうから、一定の預金が確保されます。
Q 評価が争いになって分割協議がまとまらないとどうなるんでしょう。
A それは現在と同じく遺産分割協議がまとまらないものとして家裁が審判で決めることになりますね。