相続法の改正についての解説⑧
2019.06.12
徳井義幸
Q 配偶者居住権についてさらに知っておいた方がよい点がありますか。
A そうですね。先ほどの説明は、終身のあるいは長期の配偶者居住権の制度のことですが、今回の改正では更に短期の配偶者居住権も認められていますね。
Q どういうことでしょうか。
A 相続開始から半年間、あるいは遺産分割協議が成立するまでの間についても、配偶者居住権が認められます。これが短期の配偶者居住権です。従ってこの期間については、配偶者は当然に無償での居住が保障されます。いわば暫定的な配偶者居住権です。この期間の居住は配偶者の遺産取得額には何の影響もありません。この期間中の他の相続人からの明渡請求は無条件で認められませんよ。
Q なるほど。これは遺産分割協議書ができるまでの、いわば暫定的な権利ですね。従って、その期間の無償での居住は遺産分割に影響しないということですね。
A そういうことになりますね。