相続法の改正についての解説⑪
2019.07.03
徳井義幸
Q 遺留分制度の見直しもされたと聞きました。
遺留分って何なのか説明も含めて見直しの内容を教えて下さい。
A 例えば、夫が遺言をして自宅の不動産を全部一人息子にあげるとしていたとします。
遺産は夫の財産ですから、遺言でそれを誰にどれだけ渡そうが自由だとも考えられます。しかし、そのような遺言をした事情はどうであれ、残された妻は困ってしまいますね。そこで民法は遺言によっても勝手に侵すことのできない相続人の権利を認めているのです。これを遺留分と呼んでいます。民法では、相続人のうちの配偶者と子供あるいは直系尊属(両親)にこの権利を認めていますが、兄弟姉妹には認めていないんです。
遺留分は各自の相続分に遺留分をかけて計算することになります。例えば上の例では妻の遺留分はその相続分2分の1に妻の遺留分2分の1をかけた4分の1になります。
具体例は次回に説明しましょう。