相続法の改正についての解説⑫
2019.07.10
徳井義幸
Q 現在の遺留分の制度をそれでは具体的に説明してもらえますか。
A 現在の制度では、配偶者や子(一人)が相続人の時は、配偶者や子の遺留分は2分の1、従って、配偶者は相続分の2分の1×2分の1の4分の1の遺留分を持ちます。子も一人であれば同じですが、子が2人とすると、各子はその相続分が4分の1ですから、4分の1×2分の1の8分の1が遺留分になります。
従って、例えば、自宅不動産のみが遺産であるとして、夫が子にだけ自宅を全て与える旨の遺言をしても、配偶者は4分の1は自分の遺留分だということができることになります。但し、遺留分を主張するかしないかは当然ですが遺留分権利者がそれを行使するか否かを自分で決めることになります。遺言に従って遺留分を主張しないこともできます。
Q この例で妻が遺留分を行使すると、その結果は夫名義の自宅の不動産に4分の1の権利を持つ訳ですね。
A その通りです。その理屈は預金でも同じで、預金についても例えば1000万円であれば、その4分の1の250万円の遺留分を持つことになります。