第6回アジア太平洋法律家会議(COLAP-VI)に参加してきました
第6回アジア太平洋法律家会議(Conference of Lawyers in Asia Pacific=COLAP=コラップ)が、ネパール・カトマンズにて、6月17日(金)~19日(日)の日程で開催されました。5年に1度の国際会議で、実は去年(2015年)開催されるはずでしたが、地震のために1年延期しての開催です。当事務所からは、私と事務局三澤で参加をしてきました。
6月17日(金)、震災から1年程が経過したカトマンズ。パシュパティナート(ネパール最大のヒンドゥー教寺院)の火葬場には、遠目では大量のマキ置場、よく見たら崩れた建物の跡地がありました。また、ハヌマン・ドカ(旧王宮)も、ところどころで崩れており、未だ修復中でした。しかし街には活気があり、信号も横断歩道もない道路に(たまにある信号は作動していない)、入り乱れる車、乗り合いバス、バイクによるクラクションの大合奏。どの道も人、人、人、バイク、バイク、車、車、犬、たまに牛で、油断しているとはねられそうになりました。舗装されていない道が多く、巻き上がる砂埃のためマスクをつけている人が多かったです。
さて、本題のコラップです。参加国は米欧も含む20か国程、参加者は200名弱でした。開会式には(閉会式にも)ネパールの首相等、複数の閣僚らが出席していて、お歴々はとにかく話が長かったのですが(ネパールの特性?)、停電を複数回挟みながら、2008年に王制から連邦民主共和制に移行し、2015年に憲法を制定したこと等について報告がなされました。
翌6月18日(土)、全体会ではネパールにおける民主化プロセスの発展と課題についての報告があり、続いて分科会Ⅰ「世界平和と地域平和」、Ⅱ「人権」が並行開催され、各国からの報告を受けての討議がありました。そして、アジア太平洋法律家協会(Confederation of Lawyers in Asia Pacific)の設立もなされました。これまでのコラップの成果を継承し、組織体として活動することになったのです。また、サイドイベントとして、各国の若手法律家と法学生の交流もあり、私も日本での活動を報告しました。
6月19日(日)は、分科会Ⅲ「経済発展の権利」、Ⅳ「民主主義を脅かすもの」の並行開催の後(分科会Ⅳでは私が日本のヘイトスピーチ問題について報告)、会議のまとめとしての報告、宣言がなされ、コラップが閉会しました。
コラップでは、アジア太平洋地域の法律家が一堂に会し、様々な問題について情報共有、意見交換ができたので、とても有意義でした。アジア太平洋法律家協会も設立されたことですし、今後は、日本を含むアジア太平洋地域、世界の様々な問題の解決のため、国の枠を超えた法律家の協働を発展させられればと思います。