長時間労働でうつ病を発症、解決金550万円で和解!
Y社は,土木,建築,大工工事等の設計,施工及び請負等を業とする株式会社で,堺市に本社があります。
依頼者Xさんは,Y社で建築部に所属し,戸建住宅の建築現場監督をしていました。
Xさんは,毎日の現場回り及び事務所でのデスクワークのため,休日は2週間に1回くらいしか取得できず,連日,深夜まで働かされていました(場合によっては日付が変わったり,徹夜になったり)。
このような長時間労働が3年半ほど続いた結果,Xさんは,うつ病を発症して働けなくなり,退職せざるを得ませんでした。
しかしXさんは,病気になるほど働かされていたのに,残業代は一切支払われていなかったのです。そのため,私が依頼を受けて,未払残業代等をY社に請求することにしました。
残業代訴訟では,どれだけ働かされていたかを立証するのが重要です。
ですので,訴訟提起の前に,Y社に対して,タイムカードと出退勤記録(データ)の証拠保全をしました。Y社にタイムカードと出退勤記録(データ)が改ざんされないように,裁判所を使って,事前にそれらを確保したというわけです。
訴訟では,Y社から,「残業代は『管理手当』や『能率手当』で支払っています」と,いわゆる「固定残業代」の主張がされました。
それに対して,当方は,XさんとY社との間の契約書や就業規則等の内容,労働契約法や裁判例に照らして,Y社の主張はとおらず,残業代が,結局,全く支払われていないことを明らかにしました。
裁判所からは,タイムカードと出退勤記録(データ)の正確性については争いがあり,また,Xさんが早期の解決を望んだため,残業時間についてはXY双方の主張の間をとるという恰好で,最終的に550万円での和解が提案されて,Xさんも,それで納得して解決させることとしました。
昨今,「固定残業代」を利用して残業代を支払わず,タダで労働者に長時間労働をさせて,ひいてはその労働者の健康や生命を害する企業が見受けられます。長時間労働,残業代不払い等についてのお悩みは,早めのご相談を!!